照明器具の寿命

国税庁は建築付帯設備のうち、照明器具を含む電気設備の法定耐用年数を15年と定めています。また、電気用品の安全確保について定めた「電気用品安全法」では、照明器具の寿命を約40,000時間とし、1日10時間程度の使用で約10年です。

日本産業規格（JIS）の照明器具に関する「JIS C 8105-1」の解説によると、交換目安は一般的に10年とされています。

使用環境や使用方法などにもよりますが、一般的に10年をすぎると不具合や故障が増えるとされており、安全性の観点からも8～10年での交換が望ましいです。

電球部分の寿命は、種類ごとに以下のような特徴があります。

白熱電球の場合

白熱電球の寿命の目安は、点灯状態で連続1,000～2,000時間です。高温になると熱電子を放出する「フィラメント」が蒸発しますので、電圧を下げると寿命がより長くなる傾向にあります。高い電圧を受ける、何度もオンとオフを繰り返す動作は、寿命を縮めるおそれがあるため注意が必要です。

蛍光灯の場合

蛍光灯の寿命は、一般的に10,000時間前後とされています。電圧の変動によって寿命が短くなる性質を持っていることから、一定の電圧で使用するのが好ましいでしょう。

LED照明の場合

メーカーや使用方法によって多少変動はありますが、約40,000時間という長寿命を誇ります。

照明器具が劣化すると起こりうる症状

照明器具本体が劣化すると、塗装の剥がれや錆、亀裂などが発生しやすくなります。これらの症状をそのまま放置しておくと、見た目の劣化だけでなく、異常音の発生や発熱、発煙などのおそれもあります。外観の変化だけでなく、機能に問題が生じていないかよく確認しましょう。

また、光を発する光源が劣化すると、本体と同様のリスクのほか、寿命にも影響します。点灯に必要な「安定器」の発熱や発火による故障、さらには漏電事故のおそれもあるため注意が必要です。

照明器具に不具合や劣化サインを発見したら、耐用年数に関係なく早めに対処するようにしましょう。

照明器具を長持ちさせるためのコツ

照明器具を長持ちさせるためには、こまめな清掃や定期的な点検・補修といったメンテナンスが欠かせません。汚れが溜まると熱がこもってしまい、本体や光源にダメージを与えるおそれがあります。こまめな清掃で清潔な状態を保ち、定期的な点検・補修によって照明器具本来のパフォーマンスを維持できます。

また、必要以上にオンとオフを繰り返さないことも、照明器具を長持ちさせるためのコツです。こまめに消すほうが電気代の節約につながると思っている方も多いかもしれません。

しかし、オンとオフをこまめに行うと、かえって寿命が短くなってしまいます。余分なエネルギーを使用せず、維持費の軽減にもつながるため、オンとオフを繰り返さないことは有効な管理方法です。