マリンランプ歳時記2026雨水節気初候~土脉潤起(つちのしょうう…
渡せなかったセーターの 一目一目を 指先で解(ほど)いていく それは あなたと過ごした時間を 逆さまに辿る 静かな作業 傷ついたレコードが 同じ場所で震え 「サヨナラ」を繰り返す 独りき…
渡せなかったセーターの 一目一目を 指先で解(ほど)いていく それは あなたと過ごした時間を 逆さまに辿る 静かな作業 傷ついたレコードが 同じ場所で震え 「サヨナラ」を繰り返す 独りき…
木枯らしが吹き抜ける 長い坂道 冬木立の影が 足元に長く伸びて 絡みついた別々の思い出を 振りほどくように 僕は歩き出す 寂しさだけで繋ぎ止めていた 細い糸 「さよなら」は ちぎれ風に乗…
古い暦が 静かに告げる 凍てついた空気が ふわりと緩み どこか遠くで 誰かが誰かを呼ぶ声がする 雪の下で 土が目覚め 水温(みずぬる)む 川のせせらぎ 春という名の 淡い光が マリンラン…
柔らかな髪を指先で撫でながら 僕はぼんやりと 君を見つめている 僕の腕に包まれて 甘えた声で 無邪気に笑う君 その愛おしさに 言葉が追いつかない 暦がそっと 春の兆しを告げる頃 鳥たちが…
雪解けを待つ 野原の隅で 雄雉がひとり 恋を叫んでいる その甲高い声は 私の胸の鼓動と同じ 「あなたが欲しい」 言葉にすれば 壊れそうな想いを 剥き出しのまま ぶつけたい もっと奪って 私…
厚い氷に閉ざされた 土の底で 眠っていた泉が 小さく寝返りを打つ それは 誰にも気づかれないほど 微かで 静かな 春の産声 蛇口をひねれば 溢れ出すお湯に慣れ 私たちは 季節の吐息を忘れ…