2019小暑 星の見えない星祭りの夜にマリンランプを灯して思うこと
海洋灯(まりんらんぷ)歳時記 2019小暑
星祭りの夜のマリンランプ
7月7日は何の日でしょう!?
隣町の介護医療院に入院している母親に会いに行ってきました。
(特別に七夕だからというわけではなく、1週間に一度は必ず見舞いに行っています。。。)
今年八十歳になる母は、昨年の2月にクモ膜下出血で倒れました。
幸いなことに発見が早かったのと緊急手術のおかげで現在は元気にしていますが、
日によって脳の動きが鈍いようで少し記憶が途切れたりする障害が残っています。
母を見舞うたびに「今日は何月何日ですか?」と私が問いかけるのですが、
今日も面倒くさそうに「7月7日!」と答えました。
ちょっと意地悪く「それでは7月7日は何の日でしょう?」と尋ねたところ
しばらく考えてから「た・な・ば・た やったね」と答えてくれたので、
「よくここまで回復したな!」と思わず涙目になってしまいました。
七夕の読み方は、なぜ「たなばた」?
そんな自分たちの事とはまったく関係ない話ですが、
七夕、タナバタ、たなばた・・・ふと思ったのは「七夕」の文字。
何も考えずにパソコンで「tanabata」と打ち込めば「七夕」と変換してくれますが、よく考えてみるとこれって難読漢字ですよね。
七も夕も、どう考えても「たなばた」なんて読まない漢字です。
子供たちも何も疑問に思わずに「たなばたー!」って読んでますけど、結局どうしてこの読み方になったのか?疑問に思ったので、七夕祭りの起源についてや読み方の謎・読みの区切りがどこにあるのかなどを自分なりに調べてみました。
七夕の読み方は、元々「しちせき」!
七夕の読み方は元々は「しちせき」でした。これならちゃんと漢字通りに読めますよね。
元は大昔の宮中で行われる五節句のうちの一つでした。
五節句とは旧暦で
1/7・人日(じんじつ)→七草粥の日
3/3・上巳(じょうし)→桃の節句
5/5・端午(たんご)→現在まで続く端午の節句
7/7・七夕(しちせき)→技芸の上達を祈る節句
9/9・重陽(ちょうよう)→菊の節句
の、各節句を差します。
この七夕(しちせき)は、中国で七夕の由来となった乞巧奠(きつこうでん)と呼ばれる話がもとになっています。
乞巧奠は旧暦の7/7に、織姫と彦星の原型となった織女と牽牛(けんぎゅう)の二つの星を祭るもので、手芸や芸能の上達を祈願するお祭りでした。
ではなぜこの「しちせき」が「たなばた」へと読み方を変えたのか?
それは日本古来の機織りに関する伝説と関連があるようです。
日本には古来から「棚機つ女(たなばたつめ)」あるいは「棚機津女」と呼ばれる女神の伝説がありました。
これは旧暦の7/15に水の神さまが下ってくるといわれる川・海・池のほとりに棚(たな・織物をするための小屋)に機(はた・織物のこと)を準備して穢れを知らない乙女に神聖な織物を作らせて捧げるというものです。
つまり織女と棚機つ女(たなばたつめ)が混同されて、七夕(しちせき)の読み仮名が七夕(たなばた)へと変化していったのではと考えられています。
一方、七夕(しちせき)が宮中貴族の間から民間の一般庶民へを広がる過程で、変わったという説もあります。
民間には方策を願う種播祭り(たなばたまつり)というものがあり、これと七夕(しちせき)が混同されて読み仮名が変わったという話です。
どちらが正解かは不明ですが、いずれも古くからある行事やお祭りの名が混同された結果ということのようです。
七夕の読み方の区切りはどこに?ルビはどう振る?
七夕の読み仮名の謎が解けたところで、では七夕に「たなばた」とルビを振る場合にはどこで切ったらいいのでしょうか?
ワードで文章を作ったりするときは、漢字一文字ごとに語句を読み仮名を入れていきますよね。
七夕は、たな・ばた? た・なばた? たなば・た?
一体どれ??
正解は区切りなし。
これは日本語独特のもので熟字訓というものです。
簡単に言うと、熟語全体でその読み方をするという意味。
七夕の他には「明日」「眼鏡」「煙草」「下手」「大人」「梅雨」などの言葉があります。
そう考えてみると、意外と多くの熟語が普通は読まない漢字の読み方を熟語全体でしていますね。
ちなみに熟字訓と音読みの両方で読む単語もあり、
【銀杏】
●いちょう→植物のイチョウのこと
●ぎんなん→イチョウの実のこと
と、意味も少しずつ違ったりします。
ちなみに七夕は現在でも一応「たなばた」と「しちせき」両方の読み方が可能な熟語なのですが、「しちせき」といってもほとんど通じないと思います。
ワードなどのソフトでふりがなを付ける場合には、「文字列全体」を選んで「たなばた」と打ち込めばOK
といっても最近のソフトは優秀なので、その辺りは勝手に判断してふりがなを入れてくれるのであまり心配しなくてもよさそうです。
もしルビが「文字単位」になってしまって、「たな・ばた」とか「た・なばた」とかになってしまっていたら、ルビを「文字列全体」に切り替えて表示してみてください。
七夕は夕なのかタなのか
って、かいてみて、自分でも何を書いているんだろうって感じなんですが・・・
七夕は読み方が「たなばた」なので、夕方の「夕」とカタカナの「タ」を混同したり勘違いしている人が意外と多いんです。
正解は夕方の「夕」の方。
読み仮名としてはカタカナの「タ」を選びたくなる気持ちも分からなくはないんですが、宮中行事の七夕(しちせき)の読み方が変わったということを念頭に考えてみると、夕方の「夕」が正解のようです。
PC上では分かりづらいフォントもありますが、基本はカタカナの「タ」よりも夕方の「夕」の方が一画目が長いかと思います。
もしかしたら何かの間違いでカタカナが混ざってしまっていることもあるかもしれませんが、そっと胸の内に仕舞っておいてあげた方がいいのかなーと思っています。
七夕の漢字のまとめ
●元は宮中行事の七夕(しちせき)だったが、七夕伝説の元になった乞巧奠(きつこうでん)の織女(おりめ)と、日本古来の女神の名前である棚機つ女(たなばたつめ)が混同され、て七夕が「たなばた」と読まれるようになった
●ふりがなは区切りがない熟字訓なので、ルビをつけるときは文字全体で「たなばた」が正解
●読み方が「たなばた」というのもあって、七夕の漢字が夕方の「夕」とカタカナの「タ」を混同している人もいるが、正解は夕方の「夕」
こういうものだと何の疑問も持たずに生活しているとあまり気が付かないことですが、一回こういうのに気が付くとどうしてーーーってものすごい気になり始めます(・・・私だけなんどうけど。。。?)
特に子供と接していると、どうしてーなんでー等と親として汗をかくことが意外と多いのが現実です。そんな時にお役に立てればと思います。
※参照 「語源由来辞典“七夕”」
ご好評をいただいています“マリンランプ”をいつでもどこでもお使いいただけるように、台座を取り付けスタンドタイプにしました。
台座はケヤキ(天然の木材をのため一点一点木目の表情に個体差があります)を使用し、美しい木目はインテリアとしても存在感が抜群です。真鍮・青銅鋳物の特徴は少しづつ黒っぽく変化すること。ガード部分の変化も合わせてお楽しみください。
(ゴールドのみ、シルバーはクロムメッキのため変化は少ないです。)
ランプ/真鍮・青銅鋳物製 スタンド/木製(ケヤキ)
本体寸法/W136φ×H230mm 重量/1.5kg
船舶電球・スイッチ付コード1.5m付属
雨が降ってきたので、星は見えないのですがせっかくの『星祭りの夜!』なので、
嫁と久しぶりに金沢から帰ってきている娘の三人で
マリンランプの灯りに照らされながら『七夕』や『出会い』について語りたいと思っております。。。(^_-)-☆
小暑 大暑来れる前なれば也(暦便覧)
梅雨明けが近く、本格的な暑さが始まる頃。集中豪雨のシーズン。
蓮の花が咲き、蝉の合唱が始まる頃である。
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