能登島「アテイエ」【能登デザイン室】
いつもお世話になっている「能登デザイン室」様の事務所兼住居にお邪魔させてもらいました!
能登の地材「アテ」をふんだんに使っているため、「アテイエ」と名づけられたこの建物。
こだわりの内容を能登デザイン室代表の奈良さんがホームページに綴っているので、その一部をシェアさせていただきます。
奈良さんは、東京で生まれ横浜国立大学建設学科を卒業。その後イタリアに渡りヴェネツィアでガラス工房、建築事務所勤務を経てデザイン活動を始めたそうです。
それからヴェネツィア建築大学卒業後、旅行で訪れた能登の自然と生活の豊かさに触れて帰国を決意。能登島に移住されてきました。
もちろんマリンランプも設置させていただいております!
ATEIE(アテイエ) ~能登デザイン室ホームページより~
能登の素材と技術を活かす家
日本海に突き出した半島地域である能登は、起伏に富んだ地形で海と山からの豊かな自然が育んだ恵みで溢れています。
遥か昔から能登の人々は、衣・食・住すべてにおいてこの土地の自然の恵みを受け、自然素材を活かし、絶やすことなく、自然と共存する暮らしを営んできました。
建築においては、その土地の暮らしと共に受け継がれてきた素材と技術は昨今の経済至上主義に押され、安価な輸入材に頼り、高度な大工技術に寄らない戦後からの安易な家づくりの結果、植林が進められてきた国内の山は放置され、それらを活かす技術を持った職人たちも、若い世代にその技術を伝える機会も持てず、減少の一途を辿っています。
しかし、ここ能登には幸いにも開発の手を付けられず、残されてきた自然と、その自然に寄り添って生きてきた人々の暮らし、その暮らしを支えてきた技術がまだ十分に残されています。
その素材と技術には、この土地だからこそ活かされてきた、確かな理由があります。
その素材と技術を活かした建物を造ることが、能登の文化を見直し、今能登に暮らす私たちの生活を考えていくことにも繋がるのではないでしょうか。
能登の自然と繋がる家
自然環境豊かなこの土地に建築するにあたって、外部の自然を、光(景色)として、あかり(採光)として、空気(換気)として、室内になるべく取り入れることを意識しました。
室内にいながら、視線が壁で止まるのではなく、遠くの自然まで繋がっていくような、広がりを感じさせる、そんな開口部を考えてつくりました。
また、小さい窓の中にも季節が映り込み、それ自体が一枚の絵のように暮らしの中に飾られる、額縁のような窓も点在させています。
能登の暮らしを考える家
能登半島の真ん中に浮かぶ能登島、奥能登を望む高台にアテイエはあります。
場所を選ばずに仕事ができると言われる時代、暮らしてみたいと感じた土地にふらりと来てみたら、この土地だからこそ出来る、暮しと仕事をみつけました。
その暮しと仕事を、深く見つめるための拠点を作ろうと思いました。
どこにでも作れるものではなく、ここでしか作れない、ここだからこそ作ることが出来る家。
その土地の暮らしと共に受け継がれてきた素材と技術、その素材と技術には、この土地だからこそ活かされてきた、確かな理由がありました。
その中で実際に自分たちが暮らし、働くことで、能登の暮らしと文化を見つめ直し、そこから新たな創造を行う。
そういう場としての家のあり方。
ここアテイエは、能登の暮らしを考える家なのです。
船のでんきやから
アテイエでは、玄関でマリンランプがお迎えしてくれます。
窓から海が一望できますし、居間にドッシリとおさまった薪ストーブにシラスや和紙の壁に自家製藁の畳表。
まさに奈良さんがおっしゃる通りの能登の暮らしを考える家だと思います。
こだわりの一杯つまった素敵なおうちです!
さっきまで家の中をグルグルと駆け回っていたお子さんが、もう寝ちゃいました。。。
とっても住み心地が良さそうです(*^^)v