船のでんきやのマリンランプがテレビに出ます!
先日、「北陸放送の○○と言います。貴社のホームページを拝見して、船のでんきやのマリンランプについて今度ぜひ取材をさせていただきたいと思い連絡しました。後日、弊社で毎週金曜日の午後6時から放送している○○○○という番組の中でご紹介したいと思っています。」という連絡をいただきました。
少しでも宣伝になればいいなぁと思い「はい、いいですよ!」とお引き受けいたしました。
それからトントン拍子に進み、本日の放送予定になっております。編集に時間がかかっているのか放送内容は確認していないのですが、少しドキドキしながらテレビの放送を待っています。
お知らせが遅くなってしまいましたが、石川県内でマリンランプにご興味のある方はぜひご覧いただきたいと思います。ローカル放送なのでご覧になれない方はご容赦ください(・・;)
船のでんきや日東電機のマリンランプ
潮目の変化
船舶電装業を専門とする日東電機では船の数と仕事量は比例します。
輪島塗りで有名な輪島でも地域が抱える問題である人口減少は同様にあり、特に若い人が出て行くことで当然ながら漁業に従事する人も年を追うごとに減少してきました。
それでも春~秋は良いのですが、漁が減る冬には仕事がめっきりと減ってしまっていました。その冬の期間に何かできないか?と新たな事業の構想を考えはじめました。
船のでんきや日東電機に何ができるのか?そこから試行錯誤がはじまりました。
“よそもの”の目
よく言われることですが、日常的に接する「もの・こと・ひと」は当たり前になっていて、その素晴らしさに気づけないことがあります。
一般的に職人さんは自身で販売することを苦手としています。それは日常的に使っている本当は素晴らしい技術を当たり前ののことだと考えて、ことさら伝えることをしないからです。
またそこからできあがる商品も職人さんにとってみると普通のものだったりします。
船のでんきや日東電機の例で言うと「船舶照明器具」がそれでした。
船に日常的に当たり前につけている船舶照明。特に珍しくもないもので、「これは船につけるもの」と考えてました。
けれど同じ輪島でも山の方から嫁に来た妻が共に仕事をすることなったとき、この器具を見て「これ可愛いじゃない」と言ったとき初めて気づいたのです。
これは一般の人にとっては「良いもの」なんだということを。。。
船舶照明をB to B で販売していこうとしていた当初の話なのですが、漁業関係の方がご自宅を新築されたので船舶照明器具を玄関先につけることを提案してみたのですが、すごく怒られました。
「そんな船につける作業灯を家につけるわけがないだろう!」と、、、
同じものでも誰がどんな目線で見るかでこんなにも感じ方が変わるのですね。
おそらく妻の「よそものの目」がなければ船のでんきやのマリンランプは生まれていなかったのだと思います。
その後、船舶の電機を今までとは違った形で事業の柱とできないか考えて、船舶照明器具をマリンランプとして販売を始めました。
船のでんきやのマリンランプの特徴
船舶聡明を玄関先など建物の周りで使ってもらうべく営業を始めました。建築会社、設計会社、デザイン会社へDMを送るなどしてまずは従来から行ってきたB to Bの仕事からでした。
この場合はB to Bであること、そして製品は今まで扱ってきたものをそのまま使うため先の例を除いてはそれほど問題なく進みました。DMを送った先のいくつかの会社とは継続的に取引も続いています。
当店は、約半世紀にわたり「船のでんきや」として能登半島輪島で船に灯りを灯し続けています。船で使われ続けている本物の船舶照明器具にアレンジを施し“マリンランプ”として販売しております。
実際に「船のでんきや」として“マリンランプ”を販売している、おそらく日本でただ一つのお店です。
正直、値段だけ比較しますと(一番)安い商品を用意しているお店ではございません。
一般販売されている“マリンランプ”というのは、当店が販売している“マリンランプ”とは違います。ほとんどのものは、船で本当に使われているものではございません。
私どもは、昭和40年頃から実際の漁船で作業灯や通路灯として使われ続けている本物を取り扱っております。
なんだか無骨で、船の揺れで人がぶつかったり、風で何かが飛んできても壊れないように仕組みになっているだけのものです。
だから便利なセンサーも取付けにくく、とてもじゃないですがオシャレなデザインとは言えません。
逆に素晴らしいと思える点は、もともと船で実際に使われているので優れた耐久性や防水性を兼ね備えています。
そのデザインも設置スペースが限られているため小型化されよりシンプルで、長い年月にわたり使われ続けたものにしかない独特の存在感を持っています。
マリンランプスタンドができるまで・・・
マリンランプは、住宅を新築・リフォームされるご家庭にお勧めの照明器具です。おかげ様で全国注文をいただいております。
そんなある日、 マリンランプの購入を検討しているといったお客様から 「もっと手軽にマリンランプの雰囲気のある灯りを楽しみたい!」といったご要望をお聞きしました。
マリンランプは電気工事士の資格のある方に取付けをお願いしないと設置できないため 設置した場所以外のところではないと楽しめないというのです。
不慣れな”ものづくり”
ようやくマリンランプの知名度も上がりはじめ、注文も増えはじめた矢先、そろそろ次の一手をと考えていたとこいのこと、以前からものづくりに興味もあったので一念発起しマリンランプを使った新商品を作り出そうと考えてみました。
様々アイデアは出しましたが、やはり極力船舶の電機をそのままの形で生かした商品が良いと考えマリンランプスタンドを作ることになりました。
はじめは「マリンランプに台座と電球と電源コードを取り付ければいいんだろう。」と簡単に考えていたのですが、やりはじめてみるといろいろ厄介な問題が出てきました。
マリンランプのほとんどの商品には電球を付属せず、購入されたお客様が使用する電球を選ぶといったスタイルをとっていますが電気スタンドとして使っていただくにはそういう訳にいきません。
試行錯誤を重ね、まぶしさを抑え省電力の揺れに強く切れにくい構造の船舶特殊電球を付属したり、台座には能登産の木目の美しいケヤキの間伐材を使用したりして能登のノスタルジックなイメージをシンプルなデザインに込めてみました!
そんな中、やはり一番問題になったのが、“電気用品安全法(PSE)“の存在です。商品として世に出す場合、使っていただくお客様の安全を考えて必ず取得しなければなりません!
もちろんマリンランプは商品としてすでにPSEに適合しているのですが、台座と電球や電源コードを取り付けて販売するということはまったく別の商品になるのです。
出来上がった試作品を持ち込んで研修を受けたり、実験器具を使った様々なデーターを提出したりして苦労の末に何とか“電気用品安全法(PSE)“を取得することができました!
こうして出来上がった“マリンランプスタンド”には能登輪島の船のでんきやのこだわりが詰まっています!
新しいことを始めるということ
輪島には古くから何百年と続く伝統行事が数多くあります。歴史と伝統があります。
輪島塗にはある種の威厳すら感じる、日本で言うとTHE 漆器という地位にあります。
それはつまり古くからのものを守り続ける保守的な地域ともいえます。
その中で新たな事にチャレンジするということはとても勇気がいることであり、少し間違えば白い目で見られかねないことなのです。
私もUターンで輪島に戻ってきました。外から輪島のことを一度見てきています。
“都会”にはあって、輪島にはないものは沢山あります。ただ輪島にはおそらく世界中見てもここにしかないものもあります。その両方を知っている人だからこそ取り組めるチャレンジだったのかもしれません。
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